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(12/30) プロフィールぶれぶれアーカイブブログ内検索カウンターザックスくん |
なのなのとりかご @ 普通より遅くてもここがとりかご速報ですPAGE | 1 2 3 4 | ADMIN | WRITE 2010.08.24 Tue 20:40:30 死神の名付け親 こんな感じだよ。まだ終わらない。
3冊めに入ったらどうしよう……ってしています。 深夜にキラは目を覚ました。
静かな夜だった。
何か幸せな夢をみていた気がして、キラはふと、隣を見た。
確かアスランと一緒に眠ったはずなのに、ベッドにキラは一人で、隣に温もりはない。
まるで始めからキラひとりで眠っていたかのように、人がいた気配すら残ってはいなかった。
――アスラン、トイレかな……。
しばらく半身を起こして待っていたが、戻って来る様子はない。
カーテンの間からは、人工の月が爪のような形をしていた。
人工の月ですら、満ち欠けを意識して作られている。
そして、どこかで見たことがあるような、その形を、キラは吸い込まれるように見つめていたが、不意に人の話し声が聴こえた気がして、ゆっくりと下の階へと降りた。
下の階の奥のリビングから、かすかな明かりが漏れている。
アスランだろうかとドアに近づいたとき、コーディネイターのキラの聴力は、ハッキリとした母親の声をとらえて立ちすくんだ。
「プラントなんて無理よ! だって私達はナチュラルなのよ?!」
必死に抑えた、悲鳴のような声だった。
「分かって頂戴、そればかりは出来ないわ」
「――キラはコーディネイターだ。無理ではない。預けたときから、何度も言ってきたはずだ」
「無理よ! 私達はナチュラルなのよ? どうやって生活して行けって言うのよ! これ以上、無茶な事ばかり言わないで! 今まで出来る事は、すべて従って来たはずよ! あの子、中心に生きてきたのに!」
必死なカリダに応じる男の声は、ひどく抑揚のない、冷たい声音で――その声を、キラは知っている気がした。
「では、キラだけプラントで生活させる。キラは普通のコーディネイターではない。世話人は親族が良いというヴィァ・ヒビキの希望に従ったが、今思えば初めから適当なコーディネイターの親を宛がい、プラントに上手く隠すべきだった」
「そんな……じゃあ、私達はどうなるの? あの子と離れて、私達に利用価値がなくなったら――あなた、あの人を殺すんでしょ?」
「別に殺すわけではない。彼の寿命はとっくに尽きている。それをただ、わたしの監視下に置いているだけだ」
「主人は生きてるわ! だから殺さないで……連れて行かないで!」
主人と言う事は、キラの父、ハルマの事だった。
その寿命が、すでに尽きていると言うのだ。
ヒステリックに泣く母は、誰と話をしているのだろうか?
キラは立ちすくんだまま、動けない。
「まだキラには養い親が必要だ。だが、そのキラを情緒不安定にさせているのは、おまえ達の責任ではないか。おまえは母親の役割を果たしてはいない。わたしとの約束を守ってはいない」
「そ、そんな事はないわ。ちゃんと食事を与えて、面倒をみているのに、どうして!」
「キラには、ヴィア・ヒビキの記憶がある」
瞬間、キラの母、カリダが息を飲むのが分かった。
「そ、んな、馬鹿な……あんな生まれたばかりの赤ん坊が、ヴィアを覚えているなんて有り得ないわ」
「……それだけではない。『もうひとり』の記憶もある」
「そんな……そんなはず、ない。だって……ありえないもの。一度も会わせてはいないのよ、だからオーブではなく月を選んだと言うのに」
カリダの声は震えていて、嗚咽を含んだ涙声になっていた。
こんなにも母親が苦しんでいた事を知ったキラは、縫い止められたように、その場から動けなくなってしまった。
それでも、コーディネイターの聴力は、囁くような母のつぶやく声を拾ってしまう。
「私の他に一体誰が、あの子の面倒を見るって言うの? あんな子の面倒、私たち以外無理だったはずよ!」
耐え切れないという荒い息遣いまで、キラには鮮明に聴こえ、思わず両手で耳を塞いだが、それでも音を拾ってしまう。
「――親から、まともな愛情を与えて貰えていたなら、生まれて間もない僅かな記憶など、容易く消し飛んでいただろうに」
冷たい声とともに衣擦れがし、次いで小さな悲鳴があがった。
「だったら私も殺すの?! この死神、人殺しっ……! こっちへ来ないで!」
サイドボードに飾ってある、コレクションのグラスを投げたのだろうか。
続けざまに硝子の飛び散る破壊音が響いた。
そして、しばらく沈黙が続き、女のすすり泣きだけが残った。
「今日のところは退散しよう。キラには上手く言っておいてくれ」
急に名前を呼ばれたキラの心臓は、大きく鼓動していた。
やはり、この声に聴き覚えがあった。
まさか――。
何度も打ち消しながら、一歩ずつを踏みしめる。
そこにいたのは――まさか。
息を殺してドアの隙間から、薄暗いリビングを覗き見たとき、丁度黒い影が『閉じたままの硝子窓』を擦り抜けて外へと出て行くところだった。
翻る黒いマントから垣間見えた髪は、夜と同じ色。
――そして、その上に掲げられた白銀の大鎌。
まるで今日の月と同じ形。
――知っている。
そう思った瞬間、体の力が抜け、キラはその場に膝をついた。
嫌な汗が額を伝って、床に丸い染みを作った。
その低くなった視界には、両手を床につき、すすり泣く女性の姿が映った。
それが自分の母親だと認めたとたん、キラはその場に昏倒した。
目を閉じた世界は、ただ一つの光のない真っ暗の闇だった。
PR 2010.08.02 Mon 03:00:13 イベントのこと8月の夏コミのイベント委託の予定はないです。 もしも、HP消えたらしょっくだなあ。 http://www.mypress.jp/v2_writers/birdcage/ 2010.05.04 Tue 01:50:50 スパコミさん2日のスパコミさん、どうもありがとうございました。
おかげさまで部屋がすっきりしました。 お誕生日席って言葉を覚えたです。 (✿^o^✿)あさかさま、ありがとうございました。 新刊作れなくて後悔は残りますが また頑張ります。 今度は、もっとコツコツしたいです。 色々、邪魔が入ったりで、去年から実はバタバタしています。 もっと頑張らないと。 作る作業って、集中しないと出来ないので、ひとりになれる時間を もっと作らないとって思っています。 取り急ぎ、御礼まで。 キラたんの誕生日がきますね。 何かできたらいいな。 そいえば お部屋のお掃除していたら、天使になるんだもん! が出てきて もう内容忘れちゃったって思って読んでたら泣いてしまったです。 /(^o^)\ わーわー。はずかしすぎ ダブルパロだったし、イマイチかなあって思っていたけど 表紙も可愛いくて わたしはとっても気に入っています。(✿^o^✿) 天なる2007年に書いたって書いてあったから もう3年も前なのですね。 嘘みたい。 2010.05.02 Sun 03:03:37 イベント委託のお知らせ2010.04.26 Mon 19:48:20 スパコミさん2010.04.22 Thu 04:42:52 なんとなく2010.04.08 Thu 22:59:14 無配本 vanilla2010.02.04 Thu 23:46:53 無配2010.02.03 Wed 18:07:50 無配無双(題名に意味なし無配できた\(^o^)/できた。たぶん……。 50Pいったので、2つに分けました。 そのうち、2が出る予定(๑→‿ฺ←๑) 予定……。 でもでも、先の事は分からないので 全部やっちゃいたかったのですが 製本するだけの力が、わたしに残っていなかったのです。 でも、あとは組み立てだけなので ほっとしています。 ご注文くださった全員の方にお入れするつもりですが 厚さの関係で、入らなかったらごめんなさい。 2010.02.02 Tue 23:36:58 Vanilla嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああ
もう、恥ずかしくて死ぬ。 あまあまって言うのに挑戦していたお話らしいです。 はずかしくて読み直せませんビェ─・゚・(。>д<。)・゚・─ン!! なんていう試練なんだろう……。 もったいないから飲まないって思ったけど 栄養を頂くことにします。 以前、Vanilla 本にしてくださいって仰ってくださった方からも ルシピアのキャロルを頂いたのでした。 初めてキャロルを差し入れで頂いたのも、初期のお客さんでした。 もう、5年か6年前になるのかなあ……。 良くしていただきました。 月日が経つのは早いものです。 皆さん、幸せに過ごされているといいなあ。 |