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ロボキラクリスマス 以前の無配本

ロボキラクリスマス
 
おはようございます。
ええと……ぼくはキラ。
となりで眠っている緑の羽のコトリさんはトリィっていう名前で、ぼくたちは、いつもいっしょの仲良しなの。
トリィは、アスランがくれたコトリさんで、とってもカワイイ、オリコウさんなの。 
オヤツのときも、アスランが帰って来る時間も、首かしげて鳴いて、ぼくにいろんなことを教えてくれる。
ずーっとずっといっしょだから、トリィといたら、どんなこともだいじょうぶって、そんな気持ちになるの。
だから、オヤスミのときも、オハヨウのときも、ぼくはトリィといっしょにいるのだけど、今日、ぼくはトリィより早起きをした。
こんなこと、初めてなんだけど、本当は昨日の夜おそかったから、眠くて、ふらふらで、眠くてツライ。
目が開かなくて、前が見えなくて、でも無理やりベッドから出たら、転んで頭をぶつけちゃった。
寝起きって、ちょっと苦手。
眠いせいか、ちょっとフラフラしたけど、でも、いま、がんばらなかったら、これまでがんばった意味がないから負けられない!
きょうは大事な日なの。 
『アスランのお誕生日』なんだもん!
お誕生日には、いいものをプレゼントして、おめでとうするのが決まりなの。
だって、お誕生日なんだもん。
アスランには、ふわふわして、やわらかくて、幸せになれるものをあげたくて、ずっと探していたの。
ふわふわで、やわらかくて、あったかいもの。
それを探していたら、なんだかシナモンのお顔がうかんだ。
シナモンは、アスランがくれた大きなクマさんで、いっしょにオルスバンしてくれるイイコなの。
 アスランみたいな赤いお洋服を着てないけれど、本当はクマのエリートなのかもしれない。
だって、ときどき大きくなって、イザークさんと会いにきてくれるから。 
あれって実は、スーパーシナモンの特殊ニンムらしいの。 
シナモンは、スーパーシナモンにモードチェンジしたらパワーアップできる。
大きくなったスーパーシナモンは、いっぱい動けて、色んなことができるの。
イザークさんが無理を言っても、とってもすばやくて、赤いマントと頭の王冠がカッコいいの。
ぼくもスーパーキラになれたら、イザークさんの部下になれるかもしれない。
もっともっと大きくなれたら、きっとスーパーになれるはず。
そのときは、アスランが着ているのと、いっしょの赤いお洋服だったらいいな。
大きくなれるシナモンが、とってもうらやましいけど、シナモンがプロフェッショナルなのは、ぼくが一番に知ってるもん。
ふわふわしていて、やわらかくて、だっこぎゅってしたら、とっても安心する。 
だってシナモンの中には、アスランのふわふわがいっぱい入っているんだもん!
とってもやわらかくて、あたたかい。
シナモンのことをぎゅってしたら、おひさまとクッキーの匂いがする。
まえ、いっしょにオフロしすぎてペチャンコになったシナモンのこと、アスランはおなかの中に、ふわふわをたくさんつめてなおしてくれたの。
アスランの手は魔法の手。
色んなものを作るのが、とってもじょうずなの。
アスランの手で、なでなでされると、うっとりしちゃう。
きっといっぱいなでなでされたら、ぼくもいつか、スーパーモードになれるんじゃないのかなって思うの。
スーパーモードで、オトナになって、アスランのパパになれたらいいなって、ときどき思う。
だけど……ぼくはまだ、大きくなれない。
アスランのことも、見上げないといけないし、アスランはお膝を折ってくれないといけないの。
なでなでするのって、たいへんなんだろうなって思う。
アスランはきっと、お仕事でなでなでしすぎて、たくさんお疲れなのかもしれない。
このあいだ、夜、目が覚めてしまったとき、アスランはパパさんチェアーでいねむりしてた。 
その前の夜も、パパさんチェアーで眠っていたの。
おててがだらーんと椅子から落ちてて、おぼれて沈んでしまった人魚姫の王子さまみたいな、キレイだけどすごくお疲れなお顔をしてた。
アスランは、がんばりやさんなの。
いつもぼくにはやさしくて、にっこりしているけれど、こっそり絵本のかげから見るアスランは、おつかれでタイヘンそう。
だから、ぼく、すごく心配になる。 
アスラン、最近は何をなでなでしてるんだろう?
心配だったから、イザークさんに相談してみたけど、イザークさんは、黙ったまま何も言ってくれないの。
イザークさんは、アスランのオトモダチで、アスランとおそろいの赤いお洋服着てる、キレイでエライヒトで、ときどきお家に来てくれる。
背が高くて、ちょっとコワくて、ぼくはしかられてばかりいるのだけど、本当はやさしい人だって、知っている。
ちょっとカルシウムがたりないだけなの。
イザークさんのカルシウムは、全部身長に使っちゃったのかも。
スーパーモードなのだと思う。
ぼくもいつか、スーパーモードになれたら、エリートでエライ人になって、イザークさんとおそろいを着たい。 
だから、ミルクをいっぱい飲むの。
でも、今はまだ無理で、身長も伸びないし、わからないことでいっぱいだけど……でも、ぼくにだって、わかることがあるって、イザークさんは教えてくれた。
そう言われてみたら、ここのおうちのことと、アスランのことなら、ちょっとだけわかる。
だから、ぼくなら、アスランに必要なものを知ってるはずだって、イザークさんは言ったの。
それで、観察して、いっぱい考えて、アスランに、あげたいものが見つかった。
アスランが、あのパパさんチェアーで眠るときは、ぜったい、ふわふわが足りないと思うの。
アスランは、よくパパさんチェアーで眠っちゃうけど、でも、ぼくはまだ小さいから、眠ってるアスランのことだっこして、ベッドにつれていってあげれないの。
アスランは、ぼくのことだっこして、ベッドまでつれていってくれるんだけど、ぼくには同じことが出来ないの。
それ、前にイザークさんに言ったら困ったお顔されちゃったことなんだけど……。
そのときに、「出来ないことを、ぐだぐだ考えるな」って叱られちゃった。
出来る事をしたらいいんだって、通信機で相談にのってくれるおにぃちゃんも、言ってた。
ぼくに出来ること……。
だから、ぼく、アスランのために、ふわふわをがんばることにきめた! 
がんばって、アスランがバンザイしてくれる、そんなふわふわをあげるって決めたの。
そしたら、きっとアスランのこと、元気にできるはず!
アスランが、ふかふかほわほわになれたら、きっと幸せになれると思うの。 
それで、ちょっと迷ったけど、通信機のおにぃちゃんに、もう一度相談したの。
通信機のおにぃちゃんは、アスランとイザークさんのオトモダチで、このあいだアスランがピンチのときに助けてくれた、やさしいヒト。
アスランがお熱だしちゃったとき、助けてくれたの。
通信機でしかお話したことないけど、いっしょに色んな作戦考えてくれたり、困ったときはいつも、いろんな相談にのってくれる、たのもしいおにぃちゃんなの。
「あのね、シナモンのふわふわが欲しいの。アスランのお誕生日に、ふかふかでほわほわで、幸せなのを、あげたいの」
そう言ったら、おにぃちゃん、はじめビックリしていた。
『し、シナモンの、ふわふわ?』
シナモンって言ったとき、おにぃちゃん、なんだか声がヘンだった。 
――どうしたんだろう?
でも、その後ろからイザークさんの声が混ざって、なんだか、おにぃちゃん叱られていたみたいだった。
なんだか、ドタバタいってた。
『おにぃちゃん……だいじょうぶ?』
コソコソ聞いたら、通信機の向こうからコホンって咳払いが聞こえて、イザークさんのコワイ声が返ってきたの!
『チビ、何か用があるなら、直接俺に言えばいい』
冷たい口調で言われて、イザークさんのコワイお顔が浮かんで、おにぃちゃんのくれた通信機を、落としそうになっちゃった。
おにぃちゃんの通信機は、お星さまの付いた可愛い形で、おにぃちゃんにしか通じないの。
それは、イザークさんだって知っているはずなのに。
「……ごめんなさい」
どう言っていいか分からなくてあやまったけど、イザークさんは黙ったままで、ぼくはちょっと慌てた。
でもイザークさん、本当は怒ってないって、ちゃんと知ってる。
知っているけど、ちょっとコワイ。
確かに、イザークさんから銀色の通信機を貰っているのだけど、でも――。
「でもだって、イザークさんの通信機は、ピンチのときしか使っちゃダメなんだもん」
いっしょうけんめい考えてそう言ったら、イザークさんは黙り込んだまま、おにぃちゃんに替わってくれたの。
イザークさんは何も言ってくれなかったけど、でも、通信機のおにぃちゃんは、すごく笑ってて、なんだかまたイザークさんに叱られてた。
大変そうなのに、すごくうれしそうで、うらやましかった。 
きっと、通信機のおにぃちゃんは、イザークさんにしかられるのも好きなんだなって思う。
「仲良しで、いいなあ……」
ポツンとそう言ったら、もっと笑われちゃったけど、おにぃちゃんが笑うので、ぼくも笑った。
そしたら、『キラとも仲良しだろ?』って……おにぃちゃんはそう言ったの。
なんだか、ずっとまえからオトモダチみたいで、心がほかほかして、うれしくてぼくも笑っちゃった。 
アスランが、おにぃちゃんたちとオトモダチで、ほんとうによかった。
オシゴト大変だけど、おにぃちゃん達となら、きっとアスランもだいじょうぶ。
イザークさんは、よくアスランのことも怒ってる。 ぼくもいっぱいしかられる。
でも、イザークさんといっしょなら、きっとアスランもだいじょうぶって思うの。
だって、イザークさんはすごいから。
「ぼくも、アスランのだいじょうぶになりたいなあ」
思わずそう言ったら、通信機のおにぃちゃんが大笑いして、 『大丈夫も何も、キラがいなきゃ、アスランは大ピンチなんだぜ』って、そう言ってくれたの。
なんだか、すごくすごくうれしかった。
いっぱいほめてもらえて、すごくくすぐったかった。
『イイコだなあ、可愛いなあ』って、通信機のおにぃちゃんは、いつもいってくれるの。
通信機のおにぃちゃんは、なでなでがじょうずそうって、ぼくは思う。
イザークさんは、あんまりなでなで上手じゃなさそうなの。
でも、イザークさんの方が、通信機のおにぃちゃんより、エライんだって。
通信機のおにぃちゃんが言っていた。
「とりあえず、明日届けるから、安心しておけばいいよ。イザークおにぃちゃんが、届けるからな……ってイテ!」
通信機の向こうは大変そうだったけど、でもイザークさんが、シナモンのふわふわを極秘ニンムで届けてくれるって約束してくれた。
これでアスランにふわふわでほわほわをプレゼントできる! って、ぼくワクワク眠れなくて。
そんなこんなで、昨日、イザークさんが来てくれたの。
そのとき、アスランはまだ帰ってなかったの。
アスランよりずっと早く、イザークさんは来てくれた。
ぼくは、ちょうどお部屋のベッドのシーツをハサミで切ろうとしてたとこで、いつの間にお部屋にいたのか、後ろからイザークさんに名前を呼ばれたとき、すごくビックリした。
「出来ることならば聞きたくないが。チビ、おまえは一体、何をしようとしている?」
コメカミを押さえたまま、イザークさんは、ぼくのシャツの襟をひっぱって空中でプラーンってした。 
突然だったから、ぼくは吃驚して『いらっしゃいませ』って、出てこなかった。
「おおかた、こんなことだろうとは思って来てみたが」
コワイ声で眉を寄せたイザークさんは、絵本に出てくる雪の女王さまみたいで、ピンとした背中の後ろにびゅーって! って冷たい吹雪がみえた。
ホントは、こんなとき、ちょっとだけイザークさんがコワイ。
ハードキャンディみたいな薄い色の瞳でにらまれたら、凍っちゃいそう!
「シーツを切ってどうする」
イザークさんは、ショベルカーみたいに、ぼくをベッドの上に降ろしてくれた。
「何がしたいのか、ちゃんとわかるように言ってみろ」
ぼくは、ペタンてすわったまま、イザークさんを見上げた。
冷たい声で言われて、ぼくはプルプルしていた。
「だって……だって、ぼく、おつかれのアスランに、ふわふわでほわほわなマクラを作ってあげるって決めたの」
そういって、手に持ってたハサミと接着剤を見せたら、イザークさん、どこかがイタイみたいなお顔して額をおさえると、ポッケからぼくとおそろいの銀の通信機を取り出して『はじめろ』って、短く言ったの。
なんだか疲れたみたいな、コワイ声をしていた。
「イザークさん?」
心配になってお名前呼んだけど、にゅっと手が伸びて着て、ぼくは、イザークさんにもう一度吊るされて、お部屋の壁と机の間に連れて行かれて、うごけなくなっちゃった。
「イザークさん?」
お名前呼んだけど、壁みたいに動いてくれなくて。
後ろでバタバタいろんな音がしてるから、振り向こうとしたのだけど、イザークさんの大きな手で目隠しされちゃって何も見えないの。
それから、静かになって、イザークさんに目隠しとってもらったら、お部屋のまんなかで、赤いマントの大きなクマさんが両手を広げていたの!
うわぁぁぁぁ!
「シナモン!」
うれしくなって抱きついたら、ぎゅーってだっこされて、高くあげたままくるくるまわされて、ぼくはポン!って放り投げられて、キャッチされて、すごくうれしくなっちゃった。
ぼくも、これ、アスランにしてあげられたらいいのになあ……。
だっこして、くるくる!
「シナモン、あいたかった!」
ぎゅって抱きついたら、同じだけだっこされて、ふわふわした!
だって、シナモンはいつも、ふかふかで、ほわほわ。
きっと幸せが詰まっている。
シナモンも、ぎゅーって抱っこして、何度もくるくるしてくれたの。 
「おまえら、さっさとしろ! もうじきアスランのヤツが帰ってくるぞ!」
イライラした声のイザークさんが低い声で言うと、シナモンの肩がビクンてした。
シナモンよりも、イザークさんの方がいつも強いの。
それで、腕を組んだイザークさんの監視のもと、ぼくとシナモンはがんばって、アスランのふかふかマクラを作ったの。
「シナモンのくれた、ふわふわたくさん入れたから、きっとアスランもほわほわになるね」
ナイショでコソコソってシナモンに言ったら、シナモンは、ガッツポーズしてみせてくれたの。
それで、シナモン、マクラの中にふわふわをたくさん入れてくれてポンポンで、ぼく、がんばってチクチク針でぬったの。
すっごくたいへんだったけど、みんないっしょで楽しかった。
それで、出来上がったころにアスランが帰ってきて、ぼくは、あわててシーツの下にマクラを隠した。
「おかえりなさい」
帰ってきたアスランにぎゅってして、ちゅってしたら、アスラン、なんだかイザークさんとシナモンを見て、ちょっと吃驚していた。
「あそんでもらったの」
えへへってシナモンに抱きついたら、アスランが「こっちにおいで」って手を伸ばしてくれたから、ぼくはもういちど走って行って、アスランの腕におでこをピトってくっつけた。
おうちに帰るといつも、アスランは、ぎゅってしてくれる。
だいじだよーって、そんなお顔でみてくれる。
どんなに遅くなっても、疲れていても。
ずっとずっと一緒だよって、ちゅってしてくれる。
でも、きょうも時計は、十時をすぎていた。
ぼくが、遊んでいたら、アスランは眠れない。
イザークさんは帰れない。
「ぼく、もうおそいから、ねるね? あすらん、あのね。あしたの朝はぼくが起こしてあげるから、ゆっくり眠ってていいよ!」
そういって手を伸ばしてホッペにちゅってしたら、アスラン、やさしいお顔して笑った。
何も知らない、まだ吃驚していないお顔をしていた。
だから、ぼくもうれしくなって笑ったの。
きっと、吃驚させて、喜んでもらえるって思って、計画通りって、シナモンを見たら、シナモンは深くうなづいてくれたの。
P作戦は、もう発動中。
「イザークさん、シナモン。ありがとう。またあしたね」
アスランとイザークさんとシナモンに手をふって、お部屋から出てもらってドアをパタンと背中で閉めた。
いつもなら、眠っている時間だから、アスランもそれ以上何も言わなかったの。
何度も、大丈夫? ってきいてくれたけど、おつかれなのは、アスランのほう。
それから、プレゼントのマクラにリボンとお花をつけて、ぎゅってだっこしてベッドに入ったの。
P作戦は、朝いちばんにプレゼントを届けるのが重要なの。
ちゃんとシナモンとイザークさんとで、作戦会議して決めた。
それで今朝は、トリィよりも早く起きたの。
ドキドキして眠れなかったから、ちょっとねぼうしちゃったけど、ぼくは目をこすりながらプレゼントのマクラをだっこして、アスランのお部屋に潜入したの。 
ラベンダーのいい匂いのするほわほわでふわふわのマクラはポンポンで気持ちよかったけど、緊張して手がふるえちゃった。 
お部屋はとっても静かで、何も音がしなくて、アスランも、まだ眠ってた。
絵本の眠り姫さんみたいに、アスランはいつもキレイなお顔をして眠っている。
いっこだけオトナになったアスランは、パパさんチェアーじゃなくて、ちゃんとベッドにいた。
「アスラン、おはよ。おたんじょうび、おめでと」
小さい声で言って、ちゅってして、白いホッペの横にマクラを置いた。 
「アス、ラン」
名前を呼んでもおきなくて、ぼくはちょっとホッとした。
マクラごしにせのびして、眠っているアスランの白いホッペをそっとなでたら、ぼくは、なんだかすごく胸がギュってした。
だいすきで、目の前にいてくれてうれしくて、泣きそうになっていた。
「アスラン、おはよ……おめでと――よかった」
何がよかったのかわからないけれど、いてくれて、そばにいられてうれしくて、ぼくは泣いていた。
なんだか、たくさん、ありがとうって言いたくなって、困った。
アスランのベッド、ふわふわあったかくて、気持ちよくて。 ぼく、離れたくなくて、毛布からはみ出たアスランの肩にピトっておでこをくっつけたの。
「アスラン……おはよ、おめでと」
言葉にすると、胸がいっぱいになって、立っていられなくなる。
まぶたが重くて、目を開けるのがツライけど、アスランがいるからいいの。
ぜんぜん寒いなんて思わなかったのに、ぼくは、冷たくなってたみたい。 
手とか肩とか、あすらんとくっついたところから、ほわわってあったかくなるのがわかった。 
なんだかはなれられなくなっちゃって、アスランのベッドに、ぱふってぼくは倒れこんでいた。
ついてきてくれたトリィも、マクラの横で羽をたたんで眠っちゃった。
「ん……キラ?」
アスランを起こしちゃったのか、眠そうな声がした。
かすれたアスランの声は、なんだか笑っていて、なんだか夢の中にいるみたい。
うっすらエメラルドの瞳が見えたけど、眠そうにまた閉じていて、ずり落ちそうなぼくのこと、だっこぎゅーってしてベッドにあげてくれて、ぬいぐるみみたいに抱きしめてくれたの。
すごく、あったかい。
アスランも、ねむったまま唇が笑ってた。
それからそのままコトンて、眠っちゃったの。 
抱きしめられた腕の中、すごくあったかくてふわふわだった。
本当はアスランのこと、起こしてあげるつもりだったのに、きもちよくて、眠くて、あったかくて、ふわふわしあわせで…… ぼくも眠くなっちゃった。
アスランにぎゅってされたら、ぼくもほわほわでふわふわになれそうな気がするの。
だって、アスランの手は魔法の手で、ぎゅっとしてもらったところから、きっとぼくは色んな事が出来るようになれるはず。
アスランが幸せになりますように。
アスランのお願いが、みんなかないますように。
アスランが気持ちよく眠れますように。 
なんどもアスランの腕の中でそうお祈りした
それで、しあわせだった。
ぼくは、なにもいらないの。 
ただアスランにであえて、ぼくはしあわせです。
「だいすき……ありがとう」
オデコをアスランの胸に、くっつけていたら、アスランのこと、みんなわかる気がする。
トクン……トクンってアスランの音がして、だんだん眠くなって行く。
ずっとこうしていたいなって思って……それから、後のことはおぼえてない。
こうして、このままぼくは、アスランのほわほわでふわふわになれるのかな……って、ただそれだけ。

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クリスマス無配本。
この翌日にキラが大人化して、アスランとイザークがオロオロする話を
天使光臨編で書いていますが、途中のまま数年放置。

今回、猫キラでラクスに会うクリスマスを書きかけたけど、終わらないのでこっちをアップしとく。

色々思いつくのに、手がすすまないよ。どうしよう。
 話的には、こうなったら面白いのにとか思うのに、それがアスランと結びつかないことがある。

「アスランはこんなことしない」「こんなこと言わない」みたいなのっていうのが
強くありすぎる。
なんでなんだろう。

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