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(12/30) プロフィールぶれぶれアーカイブブログ内検索カウンターザックスくん |
なのなのとりかご @ 普通より遅くてもここがとりかご速報ですPAGE | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 | ADMIN | WRITE 2012.05.24 Thu 18:49:21 後ろ向き悪い癖で、一度作ったはずのものを
振り返って壊している。 収集がつかなくなるまえに止めて、前に進まないといけないのに 弄りすぎて不透明にしてしまう。 フォントまで戻して直している。(印刷用と執筆?用のフォントが違うのです。印刷用フォントは 印刷が綺麗に出るフォントなのだけどPC上では潰れて読み難い字体になるの) 出来上がったはずのものなのにな……。 死神1冊めは、出来上がっているのです。 2冊で終わらず 3冊組みになりそうなので躊躇しているのだけど。 出しておけばよかったのかも。 自分のやっていることに頭痛がしてきます。 やり過ぎないようにしなくては。壊してしまう。 なんか最近そんな感じ。 PR 2012.05.23 Wed 21:58:30 普通にしていても早い2012.05.21 Mon 20:27:37 金環日食2012.05.21 Mon 16:55:53 マジカルプリンス2012.05.20 Sun 06:49:30 あうう2012.05.17 Thu 19:24:49 (つд⊂)うああ2012.04.28 Sat 23:22:08 ダブルシークレット11大きなハイウェイに出るまで、窓の外は何も見えなかったが、キラは暗闇の中で必死に目を凝らした。
そうしていなければ、嗚咽を漏らしてしまいそうだったからだ。 窓に額を押し付けて、飛び散る黒い影を見送った。 全部、初めて見る、知らない景色だった。 闇夜を漆黒のエレカが疾走する。 滑るように進むエレカと一緒に、前へ前へと運命は進んでしまうのが肌身にしみた。 遥か前方で、闇に浮かぶ点のように見えたオレンジ色の光が、みるみる大きくなって行く。 光に包まれたロボットのようなゲートからハイウェイに入ると、あたりは一面、静かなオレンジの光に包まれていた。 そこからは景色が一変した。 元から滑らかであったが、エレカのスピードがさらに加速して、エレカに翼が生えたよう。 以前、シンの話してくれたジェットコースターは、こんな感じなのだろうかとキラは思った。 眠る前までは、まだ昼間だった。 ただ幸せな気持ちでヒヤシンスを抱えて歩いていた。 そんな、ほんの数時間前が、ひどく遠い。 屋敷にいるアレックスにも、お礼もお別れも言えなかったが、忙しい彼には、その方がよかったのかもしれない。 本当は、シンですら淋しさの欠片もない、晴れやかな顔で見送ってくれたことがショックだった。 運転席のアスランは黙りこんだままで、キラはブランケットの隙間から、その横顔を伺う余裕もなかった。 たまらなく不安で孤独で、消えてしまいたい。 アスランから話しかけられないことが悲しくもあり、有り難くもあった。 バスケットを抱えた手が、固まってしまったように感覚がない。 どのくらい走っただろうか。 もうキラは泣き疲れて眠くなってしまい、もう窓の外も見ていなかったから、景色が止まっていることにすら、気付けなかった。 「キラ?」 アスランの小さな声がしたが、話しかけられても半分夢の中のようだったのだ。 囁くアスランの声が静かすぎたせいもある。 エレカが、あんまり滑らかな走りだったので、いつ停止したのかも気付く事ができなかった。 涙で視界が滲んでいたので、景色を見ることは早々に諦めて、抱えた大きなバスケットに頬を乗せていたせいか、いつのまにか景色が止まっていることにすら気付かなかった。 アスランの運転が上手すぎたせいもある。 「眠っちゃったか。……仕方ないな」 少しだけ苦笑まじりの呟きに我に返り、キラは慌てて顔をあげた。 「お、おきてる」 「え?」 キラのすぐ目の前に、ちょうど伸ばしてきたアスランの長い指と少し驚いた顔があった。 額を撫でてくれようとした手だろうか? だが、キラが顔をあげると戸惑ったように握られ、アスランの顔と一緒に遠ざかってしまった。 ――どうしてオデコ、なでてくれないのかな……。 さわって貰えないことが、淋しいのだとキラは初めて気付いた。 「ここ、ビューポイントだから、喜ぶかと思ったんだけど」 何事もなかったようにつぶやくアスランの人差し指が、暗いフロントガラスを「ほら」と差した。 名残惜しかったが、キラは言われるままに、じっとアスランの指の先を見た――が何もない。 「そこじゃなくて、参ったな。……この前方なんだけど、ああ、そうか」 一人で納得したアスランの声が、珍しく少しだけ笑っていた。 「ちょっと貸してみて」 戸惑うキラの膝の上のバスケットを、ひょいとアスランは取りあげた。 テキパキと動くアスランが、ひどく素っ気なく思えて、キラは自分も後部シートへ移動させられるバスケットと同じだと思った。 光の弱ったキラの瞳には、まるで闇の中に消えてしまうように映った。 「座ったままだとキラの場合、ちょっと厳しいだろうから……ちょっと待って」 自分の座席シートを後ろに下げてから、アスランはキラに覆いかぶさるように手を伸ばし、シートベルトをはずした。 一瞬後、ふっと身体が自由になったが、その自由が不安でキラはシートにしがみついた。 もしかしたら、ここで捨てられるのかもしれない。 息がかかるほど近くにいる大好きな人は、もうキラを拾ってくれないのだ。 けれど――。 「ちょっと狭いけど、おいで?」 「へ?」 優しい声で腕を引かれたときに、かぶっていたブランケットがハラリと落ちて、キラの猫耳は飛び出してしまった。 それを隠す間もなく脇の下を抱えられて、ふわりと抱き上げられると、みるみるうちに目線が高くなる。 驚いて顔をあげると、至近距離にアスランの顔があり、キラはその膝に抱き上げられていたのだ。 抱き上げられたことは何度もあるが、こんな耳元に息がかかるほど密着することは稀で。 「今度は見える?」 暗闇の中から耳元に響く声は睦言めいて、意味も分からずキラは鳥肌がたったが、いつも通りアスランは冷静で、一人で恥ずかしがったり、赤くなっている自分が、キラは恥ずかしい。 慌てて顔をあげると、その次の瞬間、フロントガラスごしの景色がキラの視界に飛び込んできた。 今まで、座高の低い上にブランケットをかぶっていたので、キラから見える視界は狭く限られていたのだ。 目にしたそれは、光の海原のようだった。 「うわぁ」 思わず声が出た。 フロントガラスの向こうに広がっていたのは、キラの初めて見る美しい夜景だった。 夥しい光が集まり、まるで呼吸しているように瞬いてる。 闇に住む、美しい生き物のようにも見えた。 「うちは、あの辺」 指をさして教えて貰ったが、光が瞬くばかりで分からない。 けれど、あの光の中のひとつに、今もシンやアレックスがいる。 それは、ひどく不思議で想像が出来ない、まるで夢のような気がした。 ほんの先ほどまで、自分もその中にいたはずなのだと思うと、キレイな光は、ひどく切なく映った。 「こうやって外を見せた事は、一度もなかったね。気にはなっていたんだけど、キラには屋敷の中ばかりで息苦しい思いをさせて悪かったと思っている」 命の恩人のアスランから謝られて、キラは返事などできなかった。 お別れを言われているのだと思ったからだ。 気付かすに夜景に心を奪われているふりをして、教えて貰った屋敷の方向を仰いでいた。 離れるのかと思うと、胸がきゅうきゅうと軋むよう。 けれど、困らせてはいけないと知っていたから、唇だけ笑おうとしていた。 幸い、背後のアスランから顔を見られることはない。 2012.03.24 Sat 01:37:11 ダブルシークレット9「アスランさん、もういらしてたんですか」
潜めた声はシンで、その声にアスランの腕が微かに震えたのをキラは感じた。 「あっちはアレックスさんが足止めする予定だけど。でも、ヘリは無理だと思う。エレカはいつもの場所に」 シンなら助けてくれると思って、もがいてアスランの腕から顔を出すと、もう外は真っ暗で屋敷から漏れた光が遠ざかる。 顔をあげたとき、ちょうどシンが目の前にいた。 シンは一瞬、怯んだ顔をしていたが、思い直したように、クシャリとキラの前髪を撫でた。 「アレ? 何で泣いてるわけ?」 何でではないと、出来るなら叫びたい。 キラの気持ちも知らず、緊迫感ものない調子で、おどけて微笑まれると余計に泣けてくる。 「シンく……」 声が詰まって上手く出なくて悔しい。 それよりも、アスランから捨てられたら、シンにもう会えない。 捨てられるようなことをした自分が、情けない。 猫耳があるときから、シンは秀でていた。 あんなふうに上手くやれない自分が、キラは悲しい。 「まあ、しょーがない。キラが悪いんだぞ? ともかくアスランさんに叱られて当然な」 押さえ込むように、ぽふぽふ頭を撫でたシンの手は温かい。 「別に俺は叱ってないぞ」 キラの頭の上から憮然としたアスランの声がしたが、怒っているように聴こえてキラはこわくて振り向けない。 「じゃあ、なんでキラが泣いてるんですか?」 昼間の剣幕が嘘のように、シンはニヤニヤしていて、からかうように何度もキラの髪をさわってくる。 確かにアスランは大きな声で怒ったりしなかった。 なのに、勝手に決め付けて可笑しそうに笑うシンがうらめしい。 キラ的には事態は深刻なのに、アスランもシンも緊張感が薄い。 キラは耳を垂れ、アスランの腕の中で唇を噛む。 「アスランさんは厳しいけど、現場ではもっと鬼だぞ。あの調子で叱られたら、キラなんか腰を抜かすだろうなあ」 昼間、怒鳴っていたシンが鬼のように思えて、潜入せずにはいられなかったキラの気持ちなど、絶対に分かってもらえそうにない。 とりあえず本当に叱られてはない――と思うと、気弱な訴えでも出してみようかと思ったが、声を立てるなと言われていたのを思い出して口を噤んだ。 黙りこんだキラの頭の上で、アスランとシンは短い言葉で何かの打ち合わせをしている。 キラなど眼中にないような、生き生きしたシンの顔がキラにはとても眩しくて、胸が痛い。 眩しくて、周りの景色もソフトフォーカスがかかってしまう。 夕方過ぎて気温が下がり、頬を撫でる風がピリピリして冷たい。 意気地なく泣いているせいだろうか。 今回珍しく、シンはキラの肩を持ってくれなかった。 シンだけは味方だと思っていたのに、今日はいつもよりもずっと余所余所しい気がした。 そういえば、ザフトの仕事から戻って来るたび、シンが遠くなっているような気がする。 考えまいとしてきた、そのこと。 遠くなるほど、シンが幸せそうに見える。 それを不満に思ってはいけないと知っていたが、目の前のその手を求めることが、シンの負担にしからなないことが悲しくてならない。 キラに出来る事は、両手を握りしめることだけだ。 動かなくなったせいか、眠っていると思われたようだ。 「おーい、起きてるか? アスランさんは疲れてんだから、あんまり迷惑かけるなよ?」 シンは俯いたキラ顎を持ち上げて視線を合わせ、無邪気に唇の端をあげて笑った。 「シン、キラが眠るなら、そっちを優先させてやってくれ」 「分かってますよ! 分かってるけど、眠ってちゃ意味ないでしょ。何のために行くんですか」 「シンが抱いてシートに乗ってくれれば、問題ないと思うが」 「冗談じゃないですよ! アレックスさんに足止めさせて、俺が付いて行ったら、今度はアッチに拗ねられますよ」 「上官の命令、でもか?」 「あー、きったねえ! っていうか、俺、本当にアンタらの間に入って、ヘンな恨み買いたくないですよ――って、あ!」 中庭の向こう側の厨房のドアが開いて明かりが漏れたのをみて、シンが叫んだ。 「俺、ちょっと貰って来ますね」 言い残して、風のように行ってしまうシンに、思わず手を伸ばしそうになって、我に返ったキラは、もう一度指を握りしめた。 「キラ?」 アスランの声が上から降りてきたが、抱かれたその腕にしがみつくことが出来なくて、身体を固くするしかない。 その固くなった身体を、ポンポンとあやされたが、どうする事も出来ない。 「気分が悪いようだから戻ろうか」 溜息のようなアスランの声がして、ゆっくりと踵を返されるのが分かった。 ――捨てるの、やめるの? 小さくしゃくりあげたキラの声に気付いたのか、行こうとしていたシンが戻ってきた。 「ちょっと、アスランさん! どこ行くんですか。勝手な事しないで、ここでキラと待っていてくださいよ。何やってんですか」 「いや、やっぱり今日はやめよう。キラも疲れているし」 「は? 今さら、何勝手な事言ってるんですか。さっきまでグースカ寝てたキラが疲れてるわけないでしょうが! どんだけ過保護なんですか。っていうか……アンタはまた、ヘンなところで」 それに続く――意気地がないんだから、という葉擦れのような声無きシンの呟きがキラの耳にはハッキリと聴こえた。 それを自分の事だと、キラの頭は短絡的に処理した。 前後の脈略が無いのは、いつものことだ。 2012.02.15 Wed 03:40:12 トロトロ2012.01.29 Sun 13:22:46 広告 |